TRPGやってきたよね/インセイン
2015年 07月 28日
おつかれさまでした。
カギとリボンのはなし。というオリジナルのシナリオやってきました!
これは、なかなかすごいシナリオだった。
演出怖くてぎゃーぎゃーいいっぱなしでした。
最後の方は時間の都合で早足でいったのですが、読み返してみると反応しそびれてる!なところがありすぎて。それも込め込めで、ささやかなエピを。
どうかみんなが安らかでありますように。
ほとんどネタバレじゃないけど、わかるかもしれないので、プレイしたい人は先に行かないこと!
↓
私は破けた蛙のぬいぐるみを抱いて、わんわん汚く泣いたまま、「やはりシュールストレミングを超えるものはないのかしら。いいえ安易にネット情報を信用することは禁物ですわね。世界のどこかには必ずやわたくしの想像を超える代物が」などとスマホを弄っている梅子に手を引かれながら旧校舎をあとにした。
雨は、いつの間にか止んでいた。柔らかな日差しが、ぬかるんだ校庭を照らしている。雲はまだ厚くて青空は見えないけれど、いずれ姿を現すだろう。
怪異は、終わりを告げたのだ。通り雨と共に。
雲の隙間から差し込む光は、天使のはしご、というのだそうで。
たぶん二人は、それをのぼって『帰った』のだろう。
本来の、彼女たちがあるべき場所に。
「うめちゃん」
「なんですの」
本当に、本当に、おかしな話だ。
同窓会で出会うまで、連絡も取り合わなかった雲雀。
タイムカプセルの手紙を読むまで、思い出しもしなかったハル。
いなくなったからといって、今までの生活になにか変化が訪れるわけでもない存在。なのに。
「寂しいよう……っ」
涙が溢れてとまらないのだ。
グループ展を開くからと、DMを送るねと言ってくれた雲雀も。
秘密のおまじないで魔法少女jごっこをしてくれたハルも。
もう、何処にもいない。
「ええい、うるさいですわ!」
「痛っ」
びしり、と梅子のチョップが額を打つ。
彼女の細い手とは違った感触が、額に触れた。
「わたくし、一寿乃に証明しなくてはいけないんですの。泣いている暇なんて、ありませんのよ」
じ、と黒い瞳が私を見て、離れる瞬間、どこかを、見た。
視線の先へ、そろりと、手をやる。
額へと。軽い、硬いものが、手に触れた。
「あ……」
お気に入りだった、苺のヘアピン。
ハルと一緒に、祈りを込めて、雲雀に渡したもの。
今度は、雲雀とハルの思いが詰まって、帰ってきた。
ヘアピンを、そっと撫でる。
「……うめちゃん」
「なんですの」
「かずちゃん、いつか根負けしてでてきてくるかな」
繋がった手が強く握られる。
梅子はまっすぐ前を向いて、ずんずん前に進みながら、言った。
「わたくし、執念ぶかいんですのよ」
カギとリボンのはなし。というオリジナルのシナリオやってきました!
これは、なかなかすごいシナリオだった。
演出怖くてぎゃーぎゃーいいっぱなしでした。
最後の方は時間の都合で早足でいったのですが、読み返してみると反応しそびれてる!なところがありすぎて。それも込め込めで、ささやかなエピを。
どうかみんなが安らかでありますように。
ほとんどネタバレじゃないけど、わかるかもしれないので、プレイしたい人は先に行かないこと!
↓
私は破けた蛙のぬいぐるみを抱いて、わんわん汚く泣いたまま、「やはりシュールストレミングを超えるものはないのかしら。いいえ安易にネット情報を信用することは禁物ですわね。世界のどこかには必ずやわたくしの想像を超える代物が」などとスマホを弄っている梅子に手を引かれながら旧校舎をあとにした。
雨は、いつの間にか止んでいた。柔らかな日差しが、ぬかるんだ校庭を照らしている。雲はまだ厚くて青空は見えないけれど、いずれ姿を現すだろう。
怪異は、終わりを告げたのだ。通り雨と共に。
雲の隙間から差し込む光は、天使のはしご、というのだそうで。
たぶん二人は、それをのぼって『帰った』のだろう。
本来の、彼女たちがあるべき場所に。
「うめちゃん」
「なんですの」
本当に、本当に、おかしな話だ。
同窓会で出会うまで、連絡も取り合わなかった雲雀。
タイムカプセルの手紙を読むまで、思い出しもしなかったハル。
いなくなったからといって、今までの生活になにか変化が訪れるわけでもない存在。なのに。
「寂しいよう……っ」
涙が溢れてとまらないのだ。
グループ展を開くからと、DMを送るねと言ってくれた雲雀も。
秘密のおまじないで魔法少女jごっこをしてくれたハルも。
もう、何処にもいない。
「ええい、うるさいですわ!」
「痛っ」
びしり、と梅子のチョップが額を打つ。
彼女の細い手とは違った感触が、額に触れた。
「わたくし、一寿乃に証明しなくてはいけないんですの。泣いている暇なんて、ありませんのよ」
じ、と黒い瞳が私を見て、離れる瞬間、どこかを、見た。
視線の先へ、そろりと、手をやる。
額へと。軽い、硬いものが、手に触れた。
「あ……」
お気に入りだった、苺のヘアピン。
ハルと一緒に、祈りを込めて、雲雀に渡したもの。
今度は、雲雀とハルの思いが詰まって、帰ってきた。
ヘアピンを、そっと撫でる。
「……うめちゃん」
「なんですの」
「かずちゃん、いつか根負けしてでてきてくるかな」
繋がった手が強く握られる。
梅子はまっすぐ前を向いて、ずんずん前に進みながら、言った。
「わたくし、執念ぶかいんですのよ」
by plasebo55
| 2015-07-28 23:21
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